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葉山 有樹

YUKI HAYAMA

陶芸家/著述家

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森羅万象図香炉

インダス文明は森の恵みを受けて生まれ、森の消失とともに滅びました。残された人々は森の恵みの記憶を美しい文様として後世に伝えたのです。 この文様は印花綿布の技術とともに海を渡り、古代ジャワ三国で「生命の森」という名で呼ばれ、ジャワ更紗として遠く日本へも伝えられました。

葉山有樹は歴史より受けた物語を執筆する。 
物語りを編み出す過程で脳裏に浮かぶ情景を作品へ変換している。 
伝統に根ざした文様と現代の劇画等のモチーフを巧みに融合し、人間業とは思えない程の技術で磁器に綿密な絵付けを行うアーティストである。

葉山の描く文様には全て物語がある。 

物語の多くは歴史に由来し、古代メソポタミア、エジプト、ギリシア、インド、中国、日本を舞台をしている。 
それは陶磁器の伝播と重なり、強烈な具体性をもつ。
作品は豊かな物語性と、比類のない高度な絵付け技術を特徴とする。 
現在は佐賀県武雄市に窯を構え制作を行う。 

葉山有樹カラー.jpg

PROFILE

1961   /   佐賀県有田町生まれ。
1975   /   佐賀県有田町の窯元にて就業
1985   /   佐賀県武雄市山内町にて開窯。
2007〜08   /   フィンランドilittala社 
       アラビア窯アート デパートメント滞在 

個展歴

1990 福岡全日空ホテルで  
1991 東京アメリカンクラブ  
1998 OAGドイツ文化センター  
2007 デザインミュージアム(フィンランド)  
2011 スパイラルガーデン(東京)  
2007  「魚になった少女」出版記念展(東京)  
2008 日仏友好150周年記念展 横浜山手西洋館  
2011  「空飛ぶだんごむし」出版記念展(東京)  
2012  「工芸未来派」展 金沢21世紀美術館  
2014  「道後オンセナート」参加  
2015  「工芸未来派」NY アート & デザインミュージアム

講演

2004  「文様の変遷」東京国際フォーラム  
2011  「応用技術時代の芸術」金沢21世紀美術館

出版

2002  『細密画の世界 千年の華 葉山有樹作品集』  
2005  『詩想の旋律 葉山有樹作品集』  
2007  『A Pattern odyssey 文様をめぐる450万年の旅』  
2008  『魚になった少女』絵本  
2008  『神話の波紋—玻璃と剣—』小説  
2010  『空飛ぶだんごむし』文芸書  
2012  『種子集』短編小説  

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ナイルの賜物壺

古代エジプト文明はナイルの賜物である。エチオピア高原に源を発するナイル川は夏になると上流域の雨を集めて増水し、下流域に黒い沃土を堆積(たいせき)させる。古代エジプト人はその上に麦を育て豊かな実りを得た。当作品は、エジプト文明の精華とも言えるツタンカーテン王(後に改名してツタンカーメン)の黄金の玉座を基に創作した。玉座に寛(くつろ)ぐ王に王妃が香油を塗る場面である。九歳で即位した王は懸命に激動の時代を生きた。

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金襴手龍鳳凰唐草文

龍と鳳凰は古代人の平和を求め繁栄に憧れる心の象徴です。龍は蛇や魚や虎、鷹、馬、鹿などをトーテムとする古代の部族が平和的に融合した証であり、鳳凰は太陽の化身でありました。当作品は陶磁器では不可能とされてきた形状に挑戦し、古代オリエントの雄大さと近代ヨーロッパの端正の美を結合させ、高度な金襴手の技法で飾りました。

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